栄養素辞典

2005年11月11日 (金)

マルチタレントなビタミンC

ビタミンCは最も知名度の高いビタミンでしょうね。
風邪の予防にはビタミンCみたいな感じでしょうか。
女性では美容のためにビタミンCをとっている方も多いでしょう。

まあ、風邪にももちろん効果があるんですが、それだけではありません。
このビタミンは非常に広範囲に作用します。
列挙すると…
■免疫活性化(風邪などの予防)
■コラーゲンの合成
■活性酸素除去
■メラニン色素の産生を抑える
■抗ストレスホルモン(ステロイド、アドレナリンなど)の産生
などなど。

これだけ働きがたくさんあると、さすがに欠乏した場合はヤバイわけです。
最も有名な欠乏症は壊血病。
ちょっとしたことで出血しやすくなり、命にも関わる怖い病気です。
これは、ビタミンCがコラーゲンの産生に関わっているために起こります。
コラーゲンは血管を構成する主要成分で、血管の弾力性を保っているタンパク質です。
ビタミンCが不足するとコラーゲンが作れなくなり、血管がもろくなってしまうわけですね。

美容に関連することとしては、肌の状態を良くするのに重要です。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り、コラーゲンはその内の真皮を構成する成分です。
ビタミンCが足りないとコラーゲンが作れないため、肌のハリがなくなりシワも目立ってきます。
また、メラニン色素の産生を抑えられなくなるので、シミもできやすくなってしまいます。

※ちなみになぜコラーゲンが肌のハリとか血管の弾力性を生み出すか疑問じゃないですか?
実はコラーゲンの分子はちょうどヒモを三つ編みにしたような構造をしています。
なので、ゴムのように伸びたり縮んだりできて、プルプルした弾力を持つことができるんです。
※さらにちなみに、人間の体内のタンパク質の3分の1はコラーゲンだと言われていますから、非常に大事なタンパク質なんです。


また、ステロイドやアドレナリンといった抗ストレスホルモンと呼ばれるホルモンの産生に関わっているので、ビタミンCが不足しているとストレスに弱くなってしまいます。
ステロイドホルモンがアトピーなどのアレルギー症状や炎症を抑える薬として用いられていることからわかるように、ホルモンはアレルギーや炎症に影響を及ぼしますから、ビタミンCの不足はこれらのトラブルにも関連しているといえます。

さらに重要な働きとして、活性酸素の除去があります。
酸素には「物質を酸化させて(サビさせて)しまう作用」があります。
鉄が錆びてボロボロになったりしますよね?
その作用がやたらと強いのが活性酸素です。
活性酸素は人間の体内で発生すれば、たちどころに細胞を酸化させます。
酸化され過ぎて錆び付いてしまった細胞は、硬直して本来の働きができなくなったり、異常に増殖したりと厄介な存在になってしまいます。
つまり動脈硬化やがんの原因ですね。
ビタミンCはこの活性酸素が発生した際に、細胞の身代わりとなってくれるんです。
ビタミンCは水に溶けやすい「水溶性ビタミン」ですから、水分の多いところで活性酸素と戦います。
血液なんかが代表的です。なので、動脈硬化予防に効果的ですね。

それから、ビタミンCはビタミンEと非常に相性がよく、一緒にとると共にその効果を高め合います。
活性酸素に立ち向かってやられたビタミンEをビタミンCが生き返らせたりするそうです。
また、ビタミンEはあぶらに溶けやすい「脂溶性ビタミン」ですから、ビタミンCがうまく働けない脂質の多い部分(細胞膜など)ではビタミンEが働くなど、役割分担も完璧です。

他にもビタミンPと呼ばれるものがビタミンCの働きを助けるといわれています。
ビタミンPは、柑橘類に含まれる「ヘスペリジン」、そばに含まれる「ルチン」などの総称です。
ミカンのすじや大根の皮など、ビタミンCの多いところにはビタミンPも含まれていることが多いようです。
自然界はほんとうにうまいことできてるんですね。
単独では壊れやすいビタミンCを安定させる作用や、コラーゲンを補強する作用があるため、ビタミンCとの相性がいいのです。

ビタミンCは噂どおり重要な栄養素だということがイメージしていただけたでしょうか?
いろんな食物に入っていますから積極的に摂るようにしましょう。